OEMコラムTOKIWA COLUMN

カラーコスメOEM国内トップシェアのトキワによるコラム

化粧品OEM

化粧品OEMとは?意味・費用・メーカー選び完全ガイド【2025年最新版】

化粧品ブランドの新規立ち上げや既存ラインの拡大を考えているものの、製造設備や専門知識が不足していることで悩んでいる企業担当者は少なくありません。実際に、多くの企業が、高品質な製品を効率的に開発・生産する方法を模索しています。

そんな悩みを解決する手段の1つが、化粧品OEMの利用です。

本記事では、化粧品OEMとはどんな意味なのか、メリットやメーカーを選ぶ際のポイント、注意点について詳しく解説。はじめてコスメブランドを立ち上げる方、他業界から化粧品事業に参入する方が、化粧品開発をスムーズ行うためのポイントを7つのステップでご紹介いたします。

「何から始めていくべきかわからない」「OEM企業はどのように選べばいいのか」などのお悩みをお持ちの方はぜひご覧ください。

トキワの化粧品OEMで、理想のブランドづくりをサポートします!

トキワは、国内外の多数ブランドから信頼される実績と、独自の技術力を強みに、はじめて化粧品OEMを利用される方も徹底サポート。製品の企画や開発、製造まで、化粧品づくりに必要な全工程をワンストップでご提案できます。 ご相談・資料ダウンロードは無料です。ぜひお気軽にお問い合わせください!

そもそも化粧品OEMとは

そもそも化粧品OEMとは

化粧品OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、自社ブランドの化粧品を他社(OEMメーカー)に委託して製造する方式のこと。化粧品OEMメーカーは、化粧品の製造と販売に必要な「化粧品製造業」と「化粧品製造販売業」の許可を取得しており、依頼主の要望に基づいた製品開発や製造が可能です。

OEMの活用により、製造設備や許可がない場合でもオリジナルブランドの化粧品を販売できるため、新規参入企業やブランド拡大を目指す企業は効率よく自社製品を製造できます。

ODM・PBの違い

ODM(Original Design Manufacturing)は、企画から設計・開発・製造までをメーカーが一貫して担う方式のこと。依頼主はアイデアや要望を伝えるだけでオリジナル商品を実現できます。PB(プライベートブランド)は、小売業者などが独自に企画・販売するブランドを指します。自社グループ店舗での販売に限定している点が主な特徴です。

各社の事業戦略や販売チャネルに合わせ、最適な方式を選ぶことが重要です。

合わせて読みたい

化粧品OEM市場規模と最新トレンド(2025年版)

2023年度の国内化粧品OEM市場は約3,456億円(前年比4.2%増)(※1)に達し、2024年度には3,571億円(※2)、2025年には約4,000億円超への成長が予測されています。(※3)

一方、グローバル市場でも、2024年時点で約307億米ドル(4兆6,050億円:1ドル=150円換算)、2030年には約321億米ドル(4兆8,150億円:1ドル=150円換算)に拡大する見込みで、年率5~6%の堅調な成長が予測されています。(※4)

国内OEM開発では、スキンケアカテゴリが注目されており、問い合わせの約29%を占めています。メイクアップやヘアケアと比べても依然として高い需要があり、スキンケア市場を中心にブランド戦略を組む企業が多い傾向です。(※5)

さらに、消費者ニーズの多様化に伴い、クリーンビューティやサステナブル処方、AI等を活用したパーソナライズ化粧品といった高付加価値領域へとOEM市場の注目が移行しています。

合わせて読みたい

※1)【週刊粧業】2024年化粧品OEMの最新動向(後編)

※2)健康博覧会 | 矢野経済研究所、23年度の化粧品受託製造市場 前年度比4.2%増

※3)【週刊粧業】化粧品OEM業界動向・市場規模・売上規模について

※4)Global Growth Insights|化粧品OEMおよびODMサービス市場

※5)ウーマンズラボ|化粧品開発の現場から探る美容市場の最新動向、トレンド・ニーズ・技術の融合で生まれた製品5選

化粧品OEMの依頼から納品までの9ステップ

化粧品OEMの依頼から納品までの9ステップ

自社で化粧品を開発し、販売に至るまでには大きく9つのステップが存在しています。ここでは、OEMメーカーに依頼する前の準備事項(Step1~4)と、依頼後に進む実際の開発・製造プロセス(Step5~9)について、それぞれのポイントを詳しく解説します。はじめて化粧品OEMを活用する方でも、全体の流れが分かるようステップごとにご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

Step1. 製品企画

スキンケア化粧品とメイクアップ化粧品には、ビジネス的な観点から見ても大きな違いがあります。はじめて展開する製品を検討する際には、それらの特徴を理解しておくことが重要です。

■スキンケア製品

スキンケア製品の場合、色展開が必要ないため、初期開発ロット数を抑えられます。また、良さ(効果)を実感してもらうまでに時間はかかりますが、継続はされやすいというメリットも。一方、高い機能性が求められ基礎研究が重要となる分野でもあるため、R&D機能(研究開発機能)の整った大企業が強い傾向にあります。

■メイクアップ製品

メイクアップ製品の場合、カラーバリエーションや製品の種類が多く、製品を展開しやすいというメリットがあります。また、季節限定色などの発売も可能です。シーズンごとに新色を投入するブランドも多く、ブランドスイッチが起こりやすい傾向にあります。

Step2.ブランドと製品のコンセプト設計

はじめて展開する製品の方向性を固める上で、本ブランドが誰を対象としてどのような世界観を重視するのかを検討する必要があります。まずは次の4つの質問に答えられるようにしておきましょう。

1.本ブランドを一言で表すと?
2.ターゲットは?(このブランド・製品を最も喜ぶ人・望んでいる人)
3.本ブランドが提供する価値は?(ユーザーにどのように伝えるか)
4.提供する製品を利用することでユーザーが得られる体験は?(機能とユーザーの情緒的な価値を整理)

Step3.ベンチマーク品のリストアップ

どんな製品が売れているか、どのようなパッケージやデザインが選ばれているか、成分や価格帯はどうかを調べ、自社ブランドのイメージや方向性に近い製品を参考にします。ベンチマークとなる製品やパッケージをいくつかピックアップしておくことで、OEMメーカーとの打ち合わせがスムーズに進み、より具体的な企画提案に役立ちます。

①処方
化粧品に配合する成分の選定とその組み合わせの仕方、中身の作り方のこと
【見るべきポイント】加飾/印刷/加工

②容器
化粧品の中身の保護や表示、装飾などを目的とした入れ物のこと
【見るべきポイント】容器の形/材質/部品

③デザイン
容器やパッケージに使用するデザインロゴなどの開発も含む
【見るべきポイント】加飾/印刷/加工

Step4.事業計画の策定

ブランド・製品展開のための事業計画における検討ポイントとして、下記3つの要素を組み込み、事業計画を策定しましょう。

①販売価格
上代(販売金額)と下代(仕入金額)を検討することで、化粧品開発にかけられる金額の目安がわかります。

②販売チャネル
販売チャネルによって利益率が異なるため、EC、店舗など、どこで販売するかを検討することが重要です。

③販売計画
販売開始から1年など初期フェーズでの計画や、用意すべき在庫数を算定しましょう。

Step5.OEMメーカー選定・問い合わせ

企画や参考資料がまとまったら、OEMメーカーの選定に進みます。化粧品のOEM製造は、企画から納品までは1年以上、発注から納品までは平均4ヶ月程度かかるとされています。

各社の実績や得意分野、対応できるロット数や費用感、どの程度要望に応えてもらえるかなどを比較検討しましょう。気になるメーカーが見つかったら実際に問い合わせを行い、製造可能な内容や大まかな費用、サポート体制について詳しく説明を受けることが大切です。

製品の複雑さや原料調達状況により期間が変動する可能性があるため、希望する納期での製造が可能かについても確認が必要です。疑問点は遠慮なく相談し、相性や対応力も見極めてください。

Step6. 詳細打合せ・試作依頼

メーカー選定後、具体的な製品設計やデザインや処方、容器の仕様などについて、担当者と詳細な打ち合わせを実施します。この段階ではイメージや要望をできるだけ具体的に伝えることが重要です。

ヒアリング内容をもとに、メーカー側からサンプルや試作品の提案を受ける流れになります。希望に応じて複数パターンのサンプル作成も可能なので、納得できる形に近づけるための大切なプロセスです。

Step7. 試作品の評価・見積・契約

届いた試作品を実際に使いながら、使い心地や色味、容器の仕上がりなど細かくチェックし、必要な修正箇所があればメーカーにフィードバックします。最終的な仕様が固まったら見積書を受け取り、ロット数や単価、納期、薬事対応など細かな条件を再度確認しましょう。納得できたら正式に契約を締結します。この段階で細部を詰めておくことで、後のトラブルも防げます。

Step8. 本生産・品質チェック

契約締結後、生産の進捗状況や納期の目安、ロットごとの品質基準などを確認しながらOEMメーカーによる本生産がスタート。必要に応じて工場での立ち合い検品や、製品サンプルの最終確認を行うケースもあります。大量生産に移る段階での品質管理はとても重要です。万が一問題が見つかった場合は、迅速な対応や再調整をメーカーと密に連絡しながら進めましょう。

Step9. 納品・販売準備

無事に完成した製品が納品されたら、数量やパッケージ、表示内容に誤りがないかなど細かな確認が重要です。薬機法の表示チェックや販売用資料の最終調整もこのタイミングで行います。並行して、ECサイトや店頭への商品登録、プロモーション計画など販売に向けた準備も本格化させる必要があります。

化粧品OEMのメリット・デメリット

化粧品OEMを活用することで、自社ブランドの商品開発をより手軽かつスピーディーに進めることが可能です。一方、委託ならではの注意点やデメリットも存在します。ここでは、化粧品OEMのメリットとデメリットをわかりやすく解説します。

メリット|初期投資削減・専門設備不要

化粧品OEMを利用する最大のメリットは、製造設備や専門的な知識がなくても自社ブランドの独自商品を展開できる点です。自社で新たに工場や設備を持つ必要がないため、初期投資や維持費用の大幅な削減が可能に。専門性の高い処方設計や厳しい品質管理もすべてOEMメーカーに委託できるため、スピーディーな商品化を実現できます。

デメリット|ノウハウ蓄積不足とコスト変動

化粧品OEMのデメリットとしては、自社に製造ノウハウが蓄積されにくい点が挙げられます。処方設計や製造工程がOEMメーカー依存となるため、独自開発や仕様の細かなカスタマイズには制約が生じる場合も。また、最小ロットや原材料のコストは委託先によって異なるため、市場や原料価格の変動によってコスト構造が左右されるリスクも考慮が必要です。

成功事例から学ぶOEM活用

ここでは実際にOEMを活用し、独自のコンセプトや課題解決を叶えた2つのブランド事例を紹介します。ブランドの個性や市場ニーズを反映したものづくりのポイントを、成功のストーリーから学びましょう。

OEM活用事例1:「使う楽しさ」を追求するクリーンビューティコスメ|7NaNatural

7NaNatural(ナナチュラル)は、天然由来成分100%にこだわりながら、ナチュラルコスメのイメージを覆す「使う楽しさ」を追求したクリーンビューティブランドです。

ブランドディレクターの中村圭氏が「ナチュラル&プレイフル」という独自の世界観を掲げ、カラースティックなど多機能で高発色な製品を次々と展開。トキワとのOEMパートナーシップにより、高い安全性と機能性を両立しながらサステナブルな製品づくりにも挑戦しています。

SNSやインフルエンサーとの連携でブランドの魅力を発信し、発売1年目から口コミで大きな話題を呼ぶことに成功。コスメを選ぶ・使う楽しさを生活者に届け、クリーンビューティ市場で新たな価値を創造しています。

合わせて読みたい

OEM活用事例2:シンプルなケアで高い効果を実現|小林智子先生手掛けるサンスクリーン

皮膚科医として著名な小林智子先生が監修するサンスクリーン(日焼け止め)は、「シンプルなケアでも高い効果を実現する」というコンセプトのもと、トキワとの共同開発で生まれました。

紫外線対策の重要性に着目し、高SPFかつノンケミカル処方で使用感や肌なじみにも徹底的にこだわっています。OEMメーカーであるトキワの開発力に信頼を寄せ、要望にも柔軟かつ迅速に応えたことで、予定より早い納品と高品質な製品化の実現に成功。テストユーザーからも「白浮きしない」「肌になじむ」と高評価を獲得し、クリニック販売や今後のラインナップ拡充も視野に入れたブランド展開が進んでいます。

合わせて読みたい

ロット数と価格の関係

ロット数と価格の関係

化粧品OEMでは、設定するロット数によって製造コストや在庫リスクが大きく変わります。

大ロット発注は1個あたりのコストを抑えられますが、初期投資や在庫リスクが増大します。一方、小ロット発注は在庫リスクや初期負担が少ないものの、製造単価が上がりやすく、対応できるOEMメーカーも限られる点に注意が必要です。自社の事業規模や販売計画に合わせて、適切なロット数を設定することが重要です。

化粧品OEMにかかる主な費用

化粧品OEMに必要な費用は、製品仕様や製造数によって大きく異なります。主な内訳としては、初期費用やサンプル代、パッケージや容器の費用、製品そのものの製造費などが挙げられます。コストを抑えたい場合は、大ロット発注やシンプルなパッケージを選ぶとよいでしょう。最終的な金額はOEMメーカーや仕様ごとに異なるため、複数社から見積もりを取り、比較検討することがポイントです。

合わせて読みたい

OEMメーカーを選ぶ5つのチェックリスト

化粧品OEMメーカーを選ぶ際は、下記5つのポイントが重要です。

  • 1.技術力や実績
  • 2.品質管理
  • 3.製造能力
  • 4.サポート体制
  • 5.コミュニケーション力

自社ブランドに適した専門性や十分な生産体制を持っているか、厳格な品質管理を実施しているかを事前に確認しましょう。また、ロット数や納期などの要望に柔軟に対応できるか、相談やサポートの体制が整っているかも大切な判断基準です。

メーカーとのやり取りがスムーズかどうかも含め、総合的に見極めて選ぶことが、後悔しないOEMパートナー選びにつながります。

トキワのご紹介

トキワは、国内のメイクアップコスメ受託製造10年連続No.1※のOEM企業です。独自の容器設計と400件以上の特許技術を活かし、革新的な製品開発に取り組んでいます。本章では、OEMメーカーを選ぶ際にトキワが適している理由を紹介します。

※参考:株式会社矢野経済研究所「化粧品受託製造・容器・原料市場の展望と戦略」

世界最高水準の品質

世界最高水準の品質

人の肌に直接触れる化粧品は高品質であることが求められます。トキワでは厳しい品質検査基準やGMPに準拠した生産管理体制を整えることで、世界最高水準の品質を実現しています。トキワの日本国内の工場は化粧品製造販売業、医薬部外品製造販売業の許可に加えてISOも取得。米国・中国・フィリピンの生産拠点でも現地の規制に沿って各種許可を取得済みです。

国内外のプレステージ化粧品ブランドから認められた世界最高水準の品質で、オリジナルの製品を製造できます。

処方と容器の同時開発

トキワでは、処方部門と容器部門が一体となって開発することで、製品化までの期間を大幅に短縮し、品質の安定性を高めています。処方と容器の同時開発という独自のアプローチにより、低粘度の中身を繰り出し使用できるリップや、1本に多色が入ったペンシルなど、新しい発想の製品を数多く生み出してきました。

400件以上の特許技術を保有し、100名を超える研究開発者が在籍するグローバルテクノロジーセンターでは、常に最先端の製品開発に挑戦しています。トキワは、処方・容器の一体開発から製造・納品までのワンストップサービスを提供し、お客様の画期的なイノベーションの実現をサポートします。

イメージを具現化できる

イメージを具現化できる

コスメを作る上では処方に加えて、感性に訴えかける容器デザインやイメージも大切です。イメージをできる限り忠実に具現化できるよう、トキワにはオリジナルの生産設備がそろっています。高い生産技術により、難易度の高いものや複雑な工程を持つ製品も製造可能です。50年以上の化粧品製造の経験を活かし、イメージに沿った処方や容器の提案もいたします。

合わせて読みたい

まとめ

化粧品OEMとは、自社ブランドの製品を専門メーカーに委託して製造できるビジネスモデルです。OEMメーカーの活用は、自社ブランドの立ち上げや新商品開発において効果的な選択肢となり、専門知識や設備投資の負担を軽減しながら、高品質な製品を迅速に市場へ投入できます。

成功するためには適切なOEMパートナーを選ぶことが重要です。品質管理体制やコミュニケーション能力、柔軟な対応力などを慎重に評価し、自社のニーズに合ったメーカーを選びましょう。トラブル発生時の対応策も事前に確認し、リスク管理にも注意を向けておくことが大切です。これらの点に留意しながら化粧品OEMを活用することで、化粧品ビジネスを成功させられるでしょう。

「化粧品OEMとは何か」から具体的な進め方まで、さらに詳しく知りたい方へ

化粧品開発の流れや、OEM活用のポイントを網羅した「化粧品開発 始め方ガイド」を無料で配布中です。これから自社ブランドを立ち上げたい方、OEMの活用方法を詳しく知りたい方は、ぜひダウンロードしてご活用ください。 トキワの専門スタッフが、はじめての方でも安心してご相談いただける体制でお待ちしています。

ページトップへ