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化粧品における容器の重要性|種類、形状、機能について詳しく解説!

これから化粧品OEMを活用し化粧品開発を検討している方の中には、「容器についてOEMメーカーにどう伝えればいいかわからない」「容器を含めた開発全体の流れを知りたい」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

化粧品において、容器はパッと商品を見た際のイメージを強く与えるものであると同時に、中身を保護する役割もある重要な存在。そのため、どんなに優れた処方でも、容器との相性が悪ければ、内容物の漏れや品質の劣化などの問題を引き起こしかねません。

本記事では、化粧品における容器の重要性や、種類、形状、機能について詳しく解説。自社製品のスムーズな市場投入を実現するためにも、適切な容器を選ぶことは非常に重要です。本記事が、化粧品容器に関する基礎知識の習得にお役立ていただければ幸いです。

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化粧品における容器の重要性

化粧品の容器は、内容物を保護し品質を維持するのはもちろん、ブランドイメージを表現するものでもあります。カラーコスメにおいては、内容物の品質維持だけでなく、使い勝手の良さや見た目の魅力もポイントです。例えば、口紅やアイライナーなどでは、繰り出しやすさや塗布時の安定感、収納時の気密性など、容器の機能が製品の使用感に直結します。

容器選びが製品の印象を左右する理由

容器選びは、化粧品の品質や使用感だけでなく、使用する素材によって商品イメージや消費者の購買意欲に直接的な影響を与えるものでもあります。

近年では「パケ買い」という言葉が示すように、容器のデザインが良いから購入する、といった行動を示すユーザーも少なくありません。SNSでの拡散を意識した写真映えするデザインや、独創的な機能を持つ容器は、製品の競争力を高める要因となっています。

サステナビリティを重視するブランドには、環境に配慮した素材などの使用が適しています。

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容器の素材と特徴

化粧品は、内容物の形態や性質によって最適な容器が異なります。適切な容器は、内容物の品質を保持するだけでなく、使いやすさやブランドイメージにも大きく影響するため慎重な選択が大切です。

容器に使用される素材は多岐に渡りますが、代表的なものとしてプラスチック、木、金属、紙などが挙げられます。それぞれの素材が持つ特性を理解し、製品に最適な素材を選びましょう。

素材1.プラスチック(樹脂)

プラスチック(樹脂)容器は、化粧品業界で広く使用されている容器素材の1つです。軽量で加工性に優れ、デザインの自由度が高いことから、カラーコスメの容器として多くの製品に採用されています。着色や透明度の調整もしやすく、ブランドの世界観を表現しやすいというメリットも。

プラスチックの主な種類には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)などがあり、それぞれ特性が異なります。例えば、リップ製品やアイライナーには、耐衝撃性と耐薬品性に優れたPPや寸法安定性、表面光沢性に優れたABS樹脂が多く使用されています。

■プラスチック容器のメリット・デメリット

メリットデメリット
軽量で持ち運びやすい環境負荷が比較的高い
コストが比較的安価高級感の演出が難しい
デザインの自由度が高い傷つきやすい
割れにくく安全性が高い経年により変色する可能性がある
着色や加工がしやすい化学物質との相性に注意が必要

プラスチック容器選びで最も重要なのは、内容物との相性です。特にカラーコスメは色素や油分を含むため、それらに適した素材選びが重要です。内容物に応じた適切な透明度なども考慮する必要があります。

素材2.木

木製容器は、環境に優しい素材の選択肢として注目を集めています。木製容器はプラスチックや金属に比べて軽量であり、独特の温かみや高級感があるという特徴があります。また、サステナブルな選択肢としても高く評価されている素材です。木材の使用はプラスチックの使用を減少させることにも繋がるため、環境負荷の軽減にも貢献できます。

■木製容器のメリット・デメリット

メリットデメリット
環境へ配慮した素材である水分を吸収しやすい
温かみを感じられるコストが高くなる可能性がある
高級感を演出できる木材は柔らかいため傷がつきやすい
様々なデザインや形状を表現できる高温や乾燥に弱い

木製容器は、デザイン面でも多様性があります。木目の美しさを活かしたデザインや、塗装や印刷によるカスタマイズが可能で、ブランドの個性を表現できます。また、木製容器は耐久性にも優れており、適切に使用すれば長期間の使用も可能です。

素材3.金属

金属容器は、傷がつきにくく丈夫な特性と、洗練された見た目を持ち合わせているため、ファンデーションのコンパクトケースやリップスティックの外装などに使用されることの多い素材です。金属容器は完全な遮光性を持つため、内容物を光から守ることが可能です。

■金属容器のメリット・デメリット

メリットデメリット
耐久性が高い製造コストが比較的高い
完全な遮光性内容物との相性確認が必要
高級感のある外観金属アレルギーへの配慮が必要
耐衝撃性が高いリサイクル時の課題がある
長期保存に適する重量がある

洗練された外観は、製品に高級感とモダンな印象を与えます。例えば、メタリックな質感を活かしたコンパクトケースは、化粧ポーチの中でも存在感のあるアイテムとなるでしょう。

素材4.紙

紙容器は、環境への配慮が求められる現代において、注目を集めている素材です。外箱やリップスティックの個包装など、カラーコスメのパッケージングにおいて重要な役割を果たしています。

■紙容器のメリット・デメリット

メリットデメリット
環境負荷が低い耐水性、耐油性に課題がある
コストが比較的安価防湿性に課題がある
リサイクルが容易強度が比較的弱い
軽量で持ち運びやすい内容物との直接接触は不可
印刷やデザインの自由度が高い高級感の演出が難しい

紙は様々な形状に加工できるため、製品に合わせた形状設計が可能です。例えば、アイシャドウパレットの外箱では、商品を保護する役割を持ちながら、開封時の楽しさも演出できます。また、FSC認証紙の使用や、植物由来インクでの印刷など、環境配慮型の素材選択も可能です。

紙容器は、サステナビリティを重視するブランドの展開や、限定商品のスペシャルパッケージとしても活用できます。ただし、耐水性や強度の課題に対応するため、内側にフィルムを貼るなどの工夫や、適切な保管方法の指示が必要です。

形状別の特徴と選び方

化粧品の容器を選ぶ際は、製品の使いやすさ、デザイン性、コストのバランスを考える必要があります。適切な容器の形状は、内容物の特性(粘度、色味など)や使用シーン、ターゲット層の好みによって大きく変わってきます。例えば、若い世代向けの製品には斬新なデザインや使いやすさを重視し、大人向けの製品では上質感のある形状が好まれる傾向にあります。

本章では、各形状の具体的な特徴と選び方のポイントを詳しく解説していきます。

コンパクト容器

コンパクト容器は、プレストファンデーションやアイシャドウパレットなどの粉状製品に使用される代表的な容器です。特にメイクアップ製品では、ミラーやパフ、ブラシなどの付属品との組み合わせが可能で、使い勝手の良さと携帯性を両立できます。

主なコンパクト容器の種類は以下の通りです。

容器の形状特徴
コンパクトタイプ
(化粧料とパフが一体収納)
・外出時の化粧直しが手軽にできる
・携帯性に優れた薄型設計
・鏡が付いていることが多く、場所を選ばず使用可能
二段タイプ・パウダー部分とパフ部分が上下に分かれた構造
・薄型・軽量で、ポーチ内でかさばりにくい設計

近年では、レフィル対応のものも増えており、環境配慮型の設計が主流になっています。

スティック容器(繰り出し容器)

スティック容器(繰り出し容器)は、口紅やクレヨンタイプのアイシャドウなどで使用されることが多い形状です。外出先での化粧直しやちょっとした時の利用に便利です。

スティック容器(繰り出し容器)の種類は以下の通りです。

容器の形状特徴
スティックタイプ・外出先などでの手軽な利用が可能
・片手で操作できる
ペンシルタイプ・目元や眉などの細かい部分に対し精密に塗布できる
・必要な分だけ繰り出して使用でき、
 無駄なく利用できる
・様々なテクスチャーの商品が発売されており
 好みに応じて選べる

スティック容器の製造には、主にプラスチックや金属が使用されることが多いですが、近年では環境への配慮から、リサイクル可能な素材やバイオベースの素材を使用したスティック容器も登場しています。 

チューブ容器

カラーコスメ分野でのチューブ容器は、クリームアイシャドウやリップグロス、クリーミーなチークカラーなどの製品に使用されます。内容物を押し出して使用する仕組みのため、空気に触れる面積が少なく、製品の品質を長く保つことが可能です。

チューブ容器は、製品の特徴に合わせて種類を選ぶことが大切です。

使用される素材特徴
樹脂・軽量で柔軟性がある
・加工しやすいため様々な形状やデザインに対応可能
・製造コストが比較的低く大量生産にも適している
アルミ・光や酸素、水蒸気を遮断できるため
 内容物の劣化を防げる
・強度が高く、衝撃への耐久性が高い
・リサイクルが容易で環境にも優しい
・光沢感があるため高級感を演出できる

形状がシンプルなため、他の容器と比べて製造コストを抑えやすい傾向にあります。

ジャー容器

ジャー容器は、主にクリームタイプのチークやマルチユースの色付きバーム、クリームアイシャドウなどの製品に使用されます。広口設計により、指やブラシでの取り出しがスムーズで、色味の確認も簡単におこなえます。

主なジャー容器の種類は以下の通りです。

使用される素材特徴
プラスチック製ジャー・軽量で扱いやすく、比較的安価
・様々な形状や色に加工可能
・クリームやジェル状の製品に広く使用される
ガラス製ジャー・高級感があり、内容物の保護性に優れている
・酸化や成分の吸着が起こりにくい
・高価格帯の化粧品に使用されることが多い
容器の形状特徴
丸型・手のひらにフィットしやすく、
 内容物を取り出しやすい
・デザインの自由度が高く、
 様々なサイズや色、素材を展開できる
・容器が転倒しにくく安定性が高い
角形・シンプルかつクールな印象を与えることができ、
 ブランドイメージの形成にも繋がる
・陳列時に美しく見せることができ、
 視覚的なインパクトを与えられる
・ラベルデザインがしやすい

コスト面では、プラスチック製の場合手頃な価格で製作できることが多い傾向です。使用目的や製品の価格帯に応じ、最適な素材を選ぶことが重要です。

ボトル容器

ボトル容器は、リキッドリップやマスカラなど、粘度の低い液状の化粧品に使用されます。適量を調整しやすく、無駄なく使い切れる点が特徴です。容器の選択は、内容物の粘度や使用量、使用時の利便性を考慮して行う必要があります。

ボトル容器の素材においては、以下のようなものが使用されます。

使用される素材特徴
プラスチック・化粧品容器で最も一般的に使用される素材
・柔軟性や強度が高い
・リサイクルしやすい
バイオプラスチック・植物由来の原料から作られている
・従来のプラスチックよりも環境負荷が少ない
再生PET・リサイクルされたペットボトルから作られる
 素材であり、 プラスチックごみの削減や
 海洋汚染防止に貢献できる
・耐久性が高い
・加工しやすい
金属・主にエアゾールタイプの化粧品に使用される
・耐久性が高く内容物を保護する能力が高い

デザイン性とコストのバランスという観点では、プラスチック素材を使用する場合、金型代は必要となるものの、大量生産による単価の低減が可能です。また、成形時の着色や表面加工、ホットスタンプやシルク印刷などの加飾により、比較的低コストで高級感のある仕上がりを実現できます。

製品の品質と使いやすさを守る容器の機能性とは

化粧品の容器選びにおいて、容器の機能性は製品の品質と使用感を大きく左右する重要なもの。特に、色素や顔料を含む製品の場合、容器との相性によって品質維持に影響が出やすいため、適切な容器を選ぶことが求められます。

例えば、リキッドアイライナーやリップグロスなどの液状製品では、容器との化学反応による変色や、密封性の問題による乾燥を防ぐ必要があります。プラスチック容器を使用する場合、内容物に含まれる色素や溶剤との相性を慎重に確認し、適切な素材を選択することが大切です。また、使いやすさの観点から、リップ製品の繰り出し部分の滑らかさやパウダーファンデーションやアイシャドウパレットの開閉部分の耐久性も重要なポイントです。

これらの機能が適切に設計されていないと、製品の使用感が損なわれ、ブランドイメージにも影響を与えかねません。本章では、容器の機能性について、防腐性・耐久性・使いやすさの観点から詳しく解説していきます。

1.防腐性 |内容物の品質を長期間維持する

化粧品における容器の防腐性は、内容物の品質維持に関わる重要な要素です。特に、リキッドタイプの製品は空気や光、温度変化による変質のリスクが高いため、適切な防腐機能を持つ容器選びが欠かせません。

アイシャドウやチークなどのパウダー製品でも、湿気や雑菌の侵入を防ぐ密閉性の高い容器設計が求められます。

2.耐久性・密閉性 |流通過程や使用中の破損、内容物の揮発を防ぐ

化粧品の容器には、製造から消費者の手に届くまでの流通過程、そして日々の使用における耐久性が求められます。特に、パウダー製品のコンパクトケースやパレットは、落下や衝撃による破損を防げる強度が必要です。

リキッドアイライナーやマスカラなどの液状製品の容器は、内容物の漏れや揮発を防ぐ気密性と、繰り返しの使用に耐えられる構造と強度が重要になります。

3.使いやすさ| 消費者の満足度を高める

容器の使いやすさは消費者満足度を大きく左右する重要な要素です。特にメイクアップ製品は細かな作業や使用量の調整が必要となるため、容器の機能性が製品の評価にも繋がりやすいと言えます。例えば、リキッドアイライナーの場合、ペン先の柔らかさやキャップの開閉感など、細部にわたる使いやすさが重要視され、リピートの有無にも繋がります。

パウダーアイシャドウやチークの場合、パレットケースの開閉のしやすさ、ミラーの見やすさなどもユーザーにとっては大切なポイント。リップ製品では、繰り出し操作がスムーズにできることや、持ち運び時の安全性も重要なポイントです。

トキワでは処方と容器の同時開発が可能!

トキワは、化粧品の処方開発と容器開発を同時に行う独自のアプローチで、高品質な製品開発を実現しています。

同時開発には、以下のようなメリットが挙げられます。

  • 開発期間を短縮でき、市場投入までのスピードが向上
  • 処方と容器の相性を初期段階から最適化でき、製品の安定性を確保
  • 開発段階での様々なリスクを事前に回避することで、コスト削減が可能

特に、カラーコスメならではの課題解決においても優れた実績があります。例えば、低粘度の中身を繰り出し使用できるリップ容器や、複数の色を1本のペンシルに内蔵できる容器など、独自の技術による製品開発が可能です。

このようにトキワでは、処方開発部門と容器開発部門が密に連携することで、お客様のご要望に合わせた柔軟な対応が可能です。新規ブランドの立ち上げや既存製品のリニューアルなど、様々なニーズにお応えできる体制を整えています。ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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