カラーコスメOEM国内トップシェアのトキワによるコラム
化粧品OEMを用いた場合の利益率はどのくらい?OEMにかかる費用や成功させるポイントを解説
新たにコスメラインを立ち上げようとする際、自社で目指すべき利益率がどのくらいか、市場相場と比べ設定した目標が妥当かどうか分からないと悩む方も多いのではないでしょうか。また、原材料費や製造コストの削減は可能かについて知りたいと思う方もいるでしょう。
そこで本記事では、化粧品OEMを利用する際の目安となる利益率や発生する費用、化粧品OEMを長期的に成功させるためのポイントを紹介しています。OEMメーカーと費用について交渉する際のポイントにも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
化粧品OEMとは?
化粧品OEMとは、自社ブランドの化粧品を他社に委託製造する方法です。OEMメーカーは化粧品の製造・販売に必要な許可を持っているため、依頼主の要望に基づいて製品を開発・製造します。
化粧品OEMを利用する主なメリットは以下の通りです。
- ・製造設備や許可がなくても自社ブランド製品の販売が可能
- ・高品質な製品製造が可能
- ・設備投資負担を軽減できる
- ・市場トレンドへの迅速な対応が可能
- ・小ロット製造によるリスクの軽減
新規参入企業やブランド拡大を目指す企業や、化粧品製造とブランド認知度向上を目指す企業にとって、化粧品OEMは効率的に自社商品を製造し、市場参入するための有効な選択肢といえます。
化粧品OEMを用いた場合の利益率相場と費用
新たにコスメラインを立ち上げる際、自社で得られる利益率がどの程度になるのかが分からず不安に感じる方もいるでしょう。また、小ロット生産を考えているものの、1商品あたりの原価が高くなりがちで、利益率にどう影響するかが心配という方も少なくないのではないでしょうか。
そこで本章では、下記について詳しく解説しています。
- ・化粧品OEMを用いた場合の利益率の相場
- ・費用の内訳
- ・小ロット生産の場合の利益率
適切な利益率を確保するための方法や、販売戦略を立てる際の参考にしていただければ幸いです。
化粧品OEMを用いた場合の利益率の相場
化粧品OEMの利益率は、企業の戦略や製品特性によって大きく変動します。一般的に多くの化粧品メーカーは5~15%ほどの利益率を目指して製品開発を行います。ただし、スキンケアに比べメイクアップ化粧品は構造が複雑な容器が多いためコストが高くなる傾向にあり、利益率が低くなる場合もあります。
利益率の相場は固定されているものではなく、製品の種類や複雑さ、生産規模、契約条件、市場動向などの要因によって変動します。例えば、高付加価値製品や独自性の高い製品の場合、より高い利益率を実現できる場合もあります。
費用の内訳
化粧品OEMにかかる費用の内訳は、大きく分けて以下の項目から構成されています。
1.原材料費
- ・バルク(化粧品の中身)
- ・容器・キャップ
- ・ラベル・化粧箱
2.製造費
- ・充填・梱包費用
- ・品質管理・検査費用
3.開発費
- ・処方開発費
- ・サンプル製作費
- ・デザイン費
4.その他
- ・輸送費
- ・保管費
上記の費用配分は一般的な例であり、実際には製品の種類、生産規模、企業の戦略などによって変わる可能性があります。
小ロット生産を実施する場合の利益率
化粧品OEMにおいて小ロット生産を実施する場合、一般的に製造を依頼した企業が得られる利益率は5%前後、もしくはそれ以下になることも珍しくありません。そのため、適正な利益率を確保するには、製品の差別化や付加価値の創出が重要になります。例えば、独自成分の配合や特殊な製法の採用、ニッチな市場ニーズに応える製品開発などが考えられます。
また、無理にロット数を増やした結果売れ残ってしまい利益率が下がってしまう恐れがある場合、利益率が低くなっても利益を出すことのできる小ロットでの販売がおすすめです。
初期段階では高めの価格設定でブランド価値を確立し、徐々にロット数を増やしながら価格を調整していく方法も検討できます。ECサイトでの直販やリピート率向上にも力を入れ、中間マージンの削減や長期的な顧客維持を目指すことで、利益率の向上が可能です。
さまざまな戦略を組み合わせることで、小ロット生産でも競争力のある価格設定と適正な利益率の確保が可能となります。市場動向や顧客ニーズの変化に柔軟に対応しながら、継続的な改善に取り組むことが大切です。
化粧品OEMを長期的に成功させるためのポイント
化粧品OEMでコスメラインを立ち上げる際、多くの企業が長期的な成功を目指します。しかし、競争が激しいコスメ業界において、持続的に売れる商品を作り出すのは簡単なことではありません。長期的な成功を実現するには、戦略的なアプローチが不可欠です。
本章では、この課題に取り組むための重要なポイントとして、下記ポイントについて詳しく解説します。
- 1.ブランドと製品コンセプトの設計
- 2.販売戦略
- 3. マーケティング費用と利益率のバランス
これらの要素を適切に組み合わせることで、競争力のある製品ラインを構築でき、市場での長期的な成功を実現する道筋が見えてくるでしょう。
1.ブランドと製品コンセプトの設計
新規コスメラインの長期的な成功には、強固なブランド設計と明確な製品コンセプトが欠かせません。
ブランド設計では、核となる価値観や想いを明確にし、一貫したメッセージングとビジュアルアイデンティティの確立が重要です。同時に、ターゲット層を具体的に定義し、競合他社との差別化戦略を実施することで、独自のポジショニングを築きます。
製品コンセプトの考え方では、「誰に」「何を」「どのように」提供するかを明確にします。ターゲットの具体的な悩みに焦点を当て、解決方法を考えることが重要です。
これらをもとに、成分、テクスチャー、容器、デザイン、価格などの具体的な仕様を決定します。オリジナル原料の使用や特殊製法の採用による差別化や市場ニーズとの整合性確認、社内評価やターゲット層での魅力度調査を通じたコンセプトの絞り込みも重要です。
2.販売戦略
新規コスメラインを成功させるには、適切な販売戦略の実行が重要なポイントになります。
まず、ターゲット層を具体的に定義し、購買行動や情報収集方法を分析しましょう。
- ・年齢
- ・性別
- ・ライフスタイル
- ・価値観 など
自社商品ターゲット層のニーズや悩みに対しどのように応えられるかを言語化します。
ターゲット層に合った販路選びも重要です。ECサイトや実店舗、直販など製品特性とターゲットに合わせ適した販路を選びましょう。オンラインとオフラインを組み合わせたマルチチャネル戦略を検討し、各チャネルの特性を活かした展開も効果的です。
ブランディングの強化も重要なポイントです。一貫したブランドイメージを構築し、SNSやインフルエンサーマーケティングを活用してブランド認知度を高めましょう。
3.マーケティング費用と利益率のバランス
効果的なマーケティングと適切な利益率の確保は、OEM事業の成功に欠かせない必須のポイントです。
高い効果と費用面での両立を図るために、コスト効率の高いデジタルマーケティングの活用がおすすめです。ソーシャルメディアやコンテンツマーケティングは、比較的低コストで高い効果が期待できます。顧客セグメンテーションを精緻化し、最も効果的なターゲット層に集中することでコストを抑えられます。データ分析を活用し、ROI(投資収益率)の高い施策に予算を集中させることも効果的です。
マーケティングROIの最適化も重要です。明確なKPIを設定し、定期的に効果を測定・評価することで、効率的な予算配分が可能になります。A/Bテストの実施やマーケティングオートメーションツールの導入も、コスト削減と効果向上に貢献します。
OEMメーカーと費用について交渉する際のポイント
化粧品OEMにおいて、OEMメーカーとの費用交渉は利益率に直接影響を与える大きな要素です。適切な交渉戦略を立てることで、コストを抑えつつ品質を維持し、利益率を向上させることが可能となります。
以下では、OEMメーカーとの交渉を成功させ、コストを最適化するための具体的な戦略とポイントを詳しく解説していきます。これらの方法を活用することで、より有利な条件で契約を締結でき、利益率を高められるでしょう。
1.市場調査と競合分析
OEMメーカーとの費用交渉を成功させるには、事前の市場調査と競合分析が欠かせません。業界の標準的な契約条件や利益率の相場を把握し、交渉の基礎となる情報を集めておきましょう。
まず、同業他社の製品価格や品質、使用している原材料などを詳細に調査します。可能であれば、業界内のネットワークを活用し、他社のOEM契約条件についての情報を収集します。
次に、原材料費や製造費の構成要素を理解することも大切です。原材料の市場価格の動向、製造プロセスの各段階にかかるコスト、人件費や設備費などの間接費用について調査します。これらの情報をもとに、OEMメーカーの原価構造を推測し、どの部分でコスト削減の余地があるかを事前に検討します。
さらに、業界のトレンドや新技術、規制の変更なども把握しておくとよいでしょう。綿密な市場調査と競合分析を行うことで、OEMメーカーとの交渉において、より説得力のある提案や要求ができ、結果として双方納得のいく条件で契約できる可能性が高まります。
2.コストを抑えられる項目の把握
化粧品OEM契約においてはいくつかのコスト項目でコストを抑えられる場合が多く、適切なアプローチによって大幅なコスト削減を実現できる可能性があります。
コスト効率を高めつつ、品質を維持するための主なポイントは以下の通りです。
- ・製造プロセスの最適化
- ・原材料の選定
- ・資材(容器・キャップ・ラベルなど)の選択
サンプル作成や製品開発(処方開発、デザイン)においても、効率的なアプローチを採用することでコストを抑えられる場合があります。例えば、パッケージデザインでは、汎用性の高いデザインや既存のテンプレートを活用することで、コストを抑えつつ魅力的な外観を実現できます。
原材料に関しては、市場トレンドや消費者ニーズを考慮しつつ、コストパフォーマンスの高い選択肢を検討することが重要です。必ずしも最も高価な原料が良い結果をもたらすわけではなく、同等の効果を持つ代替品を採用することで、品質を維持しながらコストを最適化できる可能性があります。
トキワでは、コスト最適化のニーズに応える「TOKIWA KOBO」というサービスを提供しています。小ロットでのOEM化粧品製造や、既存パッケージの活用、既存の処方を基にカスタマイズした商品の開発を行うなど、開発期間の短縮とコスト削減の実現が可能です。
まとめ
本記事では、化粧品OEMを活用した場合に得られる利益率や費用の基本的な構造、化粧品OEMを長期的に成功させるためのポイント、OEMメーカーと費用について交渉する際のポイントなどについて、幅広く解説しました。
この記事で紹介した内容を参考に、自社の状況や市場環境に適した戦略を立て、化粧品OEMビジネスの利益率を最大化させるための方法を考えるきっかけにしていただければ幸いです。
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トキワに相談する*参考:株式会社矢野経済研究所「化粧品受託製造・容器・原料市場の展望と戦略」