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カラーコスメOEM国内トップシェアのトキワによるコラム

化粧品OEM

化粧品OEMの市場規模や成長可能性について|最新トレンドも解説

新たにコスメブランドやコスメラインの立ち上げを考えているけれど、化粧品OEM市場にはどの程度の市場価値や成長可能性があるのかを知りたい、と考える企業担当者の方もいるでしょう。また、コロナ後のトレンドの変化や、最新トレンドについても抑えたうえで製品コンセプトを設計していきたいですよね。

本記事では、化粧品OEMの市場動向をはじめ、国内外の成長予測、化粧品OEMを利用するメリットや課題について詳しく解説しています。OEMメーカー選びのポイントや、最新の業界トレンドにも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

トキワではメイクアップコスメのOEM製造が可能です。
長年にわたり豊富な実績を持つため、化粧品のOEM製造が初めてでも安心してご依頼いただけます。ぜひご検討ください。

化粧品OEMの市場動向

近年、化粧品OEM市場は目覚ましい成長を遂げています。国内化粧品OEM市場規模は、2022年度は3,316億円(※1)、2023年は前年度比4.2%増の3,456億円(※2)に達し、2年連続で成長しています。

注目すべきは、環境に配慮したクリーンビューティーやサステナブル製品への需要が急速に拡大していること。消費者の環境意識の高まりを反映し、オーガニック原料の使用や、環境負荷の少ない包装材の採用など、サステナビリティへの取り組みが競争力を高めるための重要なポイントとなっています。

さらに、SNSの影響力拡大により、独自性の高いニッチ製品や、パーソナライズド化粧品に対する需要も増加。消費者の環境意識や健康志向の高まりを背景に、化粧品OEM市場は引き続き成長が期待されており、今後も大きなビジネスチャンスを見込める分野となっています。

※1:矢野経済研究所 化粧品受託製造市場に関する調査を実施(2023年)

※2:週刊粧業 2024年化粧品OEMの最新動向(後編)

化粧品OEM市場規模と成長予測

化粧品OEM市場は、国内外ともに力強い成長を続けています。日本国内市場においては、多様化する消費者ニーズと新規参入ブランドの増加を背景に、2025年までに市場規模が4,000億円(※3)に達すると予測されています。この成長は、D2CブランドやSNSを活用した新興ブランドの台頭、既存化粧品メーカーのOEM活用拡大による需要増が主な要因です。

グローバル市場に目を向けると、さらに大きな成長性が期待されています。2022年に289億米ドル(約4兆3,350億円)規模だった世界の化粧品OEM市場は、2029年までに約400億米ドル(約6兆円)まで拡大すると予測されています。(※4)年平均成長率は4.4%から5.5%と安定した成長を維持し、2030年頃には440億米ドル(約6兆6,000億円)規模に到達する見込みです。(※5)

これらのデータから、日本国内およびグローバル市場ともに、化粧品OEM市場は着実に成長を続けており、今後も緩やかな拡大が見込まれていることがわかります。

※3:週刊粧業 化粧品OEM業界動向・市場規模・売上規模について
※4:株式会社グローバルインフォメーション 化粧品OEMおよびODMの世界市場:規模、現状、予測(2023年~2029年)
※5:NEWSCAST 化粧品OEM/ODMの世界市場:産業分析、市場規模、競合環境、現状と展望2024-2030 YH Research

化粧品OEMのメリットと課題

化粧品OEMとは、自社ブランドの化粧品を化粧品製造の専門メーカーに委託製造する生産方式のことです。製造設備や技術への多額の初期投資を抑えつつ、高品質な製品を効率よく生産できる手法として、新規参入企業から大手メーカーまで幅広く活用されています。

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近年は研究開発力や製造技術の向上により、OEMメーカーの提供できる価値が大きく広がっています。処方開発だけでなく包装設計、品質管理まで、一貫したサポートを受けられることが魅力です。一方、製造コストの上昇や最低ロット数の制約、OEMメーカー選びの重要性など、検討すべき課題も存在します。

これらのメリットと課題について、詳しく紹介します。

メリット

化粧品OEMを活用することで、ブランド企業はさまざまなメリットを得られます。

1.初期投資とコストの大幅削減

自社での製造設備の導入や研究開発施設の設置が不要となり、初期投資を最小限に抑えられます。製造ライン維持費や人件費なども削減でき、経営資源の効率的な配分が可能となります。

2.スピーディーな製品開発

OEMメーカーの豊富な処方や開発ノウハウを活用できるため、商品開発期間の大幅な短縮が可能となり、トレンドやニーズに素早く対応できます。

3.高品質な製品の実現

OEMメーカーの高度な製造技術と品質管理体制を活用できるため、安定した品質の製品を生産できます。厳格な品質基準や各種規制にも適切に対応できる点も大きな強みだといえます。

課題

化粧品OEMを活用する際には、以下のような課題や注意点があり、事前に十分な検討と対策が必要です。

1.製造コストと最低ロット数

多くのOEMメーカーが設定する最低ロット数(通常3,000〜5,000個程度)は、新規参入企業や小規模ブランドにとって大きな負担となる可能性も。希望のロット数をあらかじめ決めておき、対応可能なOEMメーカーを選ぶことが重要です。

2.OEMメーカー選びの重要性

製造能力や品質管理体制、自社工場での生産をしているかどうか、十分な開発力や技術力があるか、価格設定は適切かなど、OEMメーカーによって提供できるサービスや強みは大きく異なります。自社のニーズや将来的な事業展開を見据え、適切なパートナーを選ぶことが大切です。

3.知的財産権の保護

製品開発の核となる独自処方や製造技術は、ブランドの競争力を左右する重要な資産です。OEMメーカーとの取引開始時には、知的財産を適切に保護するための契約が必要です。具体的には、製造ノウハウの管理方法や情報開示の範囲、機密保持の期間などについて、明確な取り決めを行います。他社製品との差別化につながる独自性の高い製品開発情報については、漏洩リスクを最小限に抑えるため、慎重な管理体制を構築する必要があります。

OEMメーカー選びのポイント

化粧品OEMでは、長期的なパートナーとなるメーカー選びが事業の成功を大きく左右するといっても過言ではありません。

これまでにどのような製造実績があるのか、GMP基準に準拠した製造施設を有しているかなどは必ず確認すべき項目です。また、サポート体制の充実度や、製造コスト、最低ロット数など、自社の事業規模や計画に合致した条件を提示できるかどうかも、選定時の重要な判断材料となります。

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製造実績と品質管理体制

豊富な製造実績を持つOEMメーカーは、安定した品質の製品を提供できる可能性が高いといえます。過去のクライアントや製品の評価、成功事例などを確認することで、そのメーカーの信頼性を把握できます。

また、化粧品は直接肌に触れる製品であるため、品質管理と安全性の確保は非常に重要です。各製造工程での品質管理がどのように行われているかを確認し、完成品の品質をしっかりと維持することで、ブランドへの信頼度も向上します。

サポート体制の充実度

サポート体制の充実度は、初めて化粧品OEMを利用する企業にとって重要な項目となります。充実したサポート体制を持つOEMメーカーでは、ブランド企業の思い描く化粧品のコンセプトを的確に理解し、処方開発から試作品製造まで、きめ細かなサポートを得られる可能性も。このようなメーカーに依頼することで、化粧品業界の経験が少ない企業でも、効率的に市場ニーズに合った製品開発が可能になります。

また、化粧品の製造・販売には、関連法規に対する正しい知識が必須です。サポート体制が整っているOEMメーカーの場合、広告表現の規制やパッケージデザイン作成時の注意点など、化粧品開発が初めての企業では判断が難しい内容についてもアドバイスを提供してくれます。

製造コスト

製造コストは、化粧品ビジネスの利益率を大きく左右する重要な要素です。OEMメーカーを選ぶ際は、製造単価だけでなく、対応可能な最低ロット数や在庫管理なども含めた総合的なコスト効率を考慮する必要があります。

適切な製造コストと最低ロット数の設定により、市場の需要に応じた柔軟な生産調整が可能となり、過剰在庫のリスクを抑えることが可能です。製造コストを最適化させることで、製品の価格競争力の維持のみならず、新製品開発時の投資面での余力も生み出せます。これにより、市場トレンドに素早く対応でき、需要に応じた製品展開も可能となります。

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今後の化粧品OEM業界のトレンドと将来性

化粧品OEM業界は、市場環境やテクノロジーの進化、消費者ニーズの変化により、大きな転換期を迎えています。

抑えておきたいポイントとして、サステナビリティへの取り組みが挙げられます。環境負荷の低い原料の使用や、リサイクル可能なパッケージの採用、製造工程でのCO2削減など、環境に配慮した製品開発の重要性が増加傾向です。

ポストコロナ時代における消費者ニーズの変化も見逃せません。肌の健康を重視したクリーンビューティーや、オンライン販売に適した製品開発、パーソナライズド化粧品への対応など、市場ニーズは多様化しています。

デジタル技術の活用も進んでいます。AIを活用した処方開発や、IoTによる製造工程の最適化、AR/VRを活用した製品提案など、デジタルトランスフォーメーションが業界に新たな可能性をもたらすでしょう。

サステナブルコスメ

サステナブルなパーソナルケア市場は急速に成長しており、2023年の667億米ドル(約10兆50億円)から2032年には1,510億6,000万米ドル(約22兆6,590億円)に達すると予測されています。年平均成長率は9.5%と高い傾向です。(※6)

※1ドル=150円とした場合

サステナブルコスメの需要が高まっている背景には、消費者の環境への配慮や倫理的な消費への関心が高まっていることが挙げられ、特にZ世代を中心にサステナブル製品への需要は増加傾向にあります。

サステナブルコスメの開発には、新しい技術や材料の導入が必要です。OEMメーカーの中には、バイオプラスチック包装やゼロウェイスト製品など、新しい製造技術や材料の開発を行っているメーカーもあります。OEMメーカーによって対応できる処方や技術は異なるため、自社でサステナブル製品を製造したいと考えている場合、各メーカーがどこまで対応できるかを確認することが重要です。

※6:NEWSCAST サステナブルなパーソナルケア市場、2023年から2032年にかけて急速成長―市場規模は667億米ドルから1,510億6,000万米ドルへ

新型コロナウイルス後の市場の変化

コロナ禍を経て、化粧品OEM市場は着実な回復基調を示しています。2023年の国内市場規模は前年比4.2%増の3,456億円を記録し、2024年度も3.3%の成長が予測されています。(※2)

この回復を牽引しているのが、マスク生活の緩和に伴うメイクアップ製品の需要回復です。特にリップやファンデーションなど、コロナ禍で低迷していた製品カテゴリーが大きく伸長しています。(※2)

市場の構造としては、スキンケア製品は依然として市場の約半分を占める主力カテゴリーであり、美容と健康を重視する消費者のニーズを反映しており、安定した需要を維持。また、中国からの団体旅行解禁を機にインバウンド需要も回復傾向にあり、市場拡大の新たな推進力となっています。

※2:週刊粧業 2024年化粧品OEMの最新動向(後編)

デジタル化

化粧品業界のデジタル化は、製品開発から販売まで、ビジネスプロセス全体に大きな変化をもたらしています。バーチャルメイクシミュレーションやAIによるスキンケア診断などのデジタル技術を活用したサービスが、オンライン上での製品選びをより直感的で手軽なものにしています。

また、D2C(Direct to Consumer)モデルの台頭により、消費者と直接的なコミュニケーションが可能となったことでより密度の高いコミュニケーションが可能に。マーケティング面では、SNSを活用したインフルエンサーマーケティングやライブコマースが主流となり、製品の魅力をより効果的に伝えることが可能に。

さらに、デジタルデータの分析により、ターゲット顧客へのより最適なアプローチが可能となり、マーケティング効率も大幅に向上しています。

化粧品業界におけるデジタル化は、製品開発段階でのマーケットデータ分析から、製品販売後のマーケティング活動まで、幅広い領域で重要性を増しています。OEM製品の開発においては、これらのデジタルトレンドを的確に捉え、市場ニーズに合致した製品開発を行うことが、今後ますます重要になっていくでしょう。

まとめ

化粧品OEM市場は、2025年には国内市場規模が4,000億円に達すると予測されており、グローバル市場も年率4.4〜5.5%の成長が見込まれています。この成長市場でのビジネスチャンスを活かすには、まずは自社の事業計画や作りたいアイテムのコンセプトを明確にし、それを実現できる最適なOEMパートナーを慎重に選定することが大切です。

新たな化粧品ブランドの立ち上げや、既存ブランドの新商品開発をお考えの方は、ぜひトキワへご相談ください。豊富な経験と高い技術力を活かし、皆様の製品開発の成功に向けて全力でサポートさせていただきます。

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*参考:株式会社矢野経済研究所「化粧品受託製造・容器・原料市場の展望と戦略」

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