カラーコスメOEM国内トップシェアのトキワによるコラム
失敗しない化粧品OEM|メーカー選びで押さえるべき注意点とは?

化粧品OEMを利用して自社ブランドの商品を作りたいけれど、どんな点に注意すべきかわからない。信頼できるOEMメーカーをどう選べばよいのか悩んでいる。これから化粧品を作りたいという方の中には、上記のような疑問や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、OEMメーカーを選ぶ際の注意点や、化粧品OEMを成功させるための重要なポイントについて、トキワの処方担当者にインタビューしました。ニッチ市場開拓の重要性、明確な製品コンセプトの必要性まで、幅広く解説しています。
これからOEMで化粧品ビジネスを始めようとしている方も、すでにOEMを利用している方も、本記事を参考にOEMを成功させるためのヒントを掴んでいただければ幸いです。
トキワでは、国内外問わずこれまでたくさんのプレステージブランド様からの信頼をいただき、高品質な製品を提供してまいりました。
豊富な実績と確かな技術力を活かし、化粧品OEMが初めての方でも安心してご依頼いただけるようサポートいたします。
目次
化粧品OEMとは

化粧品OEMとは、自社ブランドの化粧品を他社(OEMメーカー)に委託して製造する方式のこと。化粧品OEMメーカーは、化粧品の製造と販売に必要な「化粧品製造業許可」と「化粧品製造販売業許可」を取得しており、依頼主の要望に基づいた商品開発や製造が可能です。
OEMの活用により、製造設備や許可がない場合でもオリジナルブランドの化粧品を販売できるため、新規参入企業やブランド拡大を目指す企業は効率よく自社商品を製造できます。
化粧品OEMメーカーを選ぶ際の注意点

多くの化粧品OEMメーカーがある中で、どのような点に注意しながら自社に合ったメーカーを選ぶべきか迷っているという方もいるでしょう。
そこで本章では、化粧品OEMメーカーを選ぶ際の注意点を4つ紹介します。
注意点や、重要な選定基準についてしっかりと理解しておくことで、自社に最も適したOEMメーカーを選べます。適切なメーカーを選び理想的な商品を作り上げることで、長期的なブランド価値の向上に繋げられます。
注意点1.自社が希望する成分や技術に対応できるか
――自社が希望する成分や技術に対応できるかどうかは、OEMメーカーを選ぶうえで重要ですか?
処方担当者:
自社でやりたいことを実現できる技術力があるかどうか、自社の希望する成分や特殊な原料を使用できるかどうかは、OEMメーカーを選ぶうえで重要なポイントです。例えば、小ロット生産の場合は使用できる原料が制限されることがあります。
また、製造販売元がどこになるかによっても、使用できる成分や製造方法に違いが出てくる可能性も。化粧品を作りたい会社に「化粧品製造販売業許可」がある場合、自社が製造販売元となるため、使える成分の選択肢が広がります。一方、「化粧品製造販売業許可」がない場合はOEMメーカーが製造販売元となるため、使用できる成分や技術はOEMメーカーが指定する成分に限定されます。
自社の期待値と実際にできることのギャップにも注意が必要です。例えば、「A製品のこの部分と、B製品のこの良い部分を合わせたようなもの」というリクエストがあっても、そう簡単には実現できないことがあります。
何かを良くすれば何かが劣るというトレードオフの関係にあることを理解し、お互いにコミュニケーションを取りながら、最適な製品を作り上げていく必要があります。
注意点2.品質管理体制が整っているか
――品質管理体制が整っているかどうかは重要ですか?
処方担当者:
非常に重要な選定基準です。ただし、どのような品質管理体制を取っているかについては実際に話をしてみないとわからないことが多いので、可能であれば技術者の方と直接話す機会を設けることをおすすめします。
確認事項としては、どういう条件下で品質確認を行っているかを細かく見ていくことが大切です。例えば、製品の劣化条件をどこまで厳しく設定しているか、温度条件をどの程度まで見ているかなどです。あるメーカーは50℃まで見ているのに対し、別のメーカーは40℃までしか見ていない、といった違いがあることもあります。
厳しい品質管理を行うほどコストは上がってしまいますが、何か問題が起きた時のブランドへの影響を考えると、結果的に品質管理をしっかり行っている方が良いと言えます。そのため、OEMメーカーがどこまで細かく品質管理の説明をしてくれるかという点も、選定の際の重要なポイントになります。
営業担当者だけでなく、実際に製品を作る技術者と話すことで、より詳細で正確な品質管理体制の情報を得られます。
――品質管理体制が重要な理由を教えてください。
処方担当者:
化粧品は時間が経つと劣化していく可能性がありますが、厳密な品質管理体制があることで、製品の安定性や効果の持続性を確保できます。
また、商品に何か問題が発生した場合、それはブランドへの大きな損害につながるケースもあります。しかし、厳格な品質管理を行うことで、そのリスクを最小限に抑えられます。製品の一貫性を保つためにも品質管理は重要です。特に化粧品は繰り返し使用する製品なので、毎回同じ品質、同じ使用感を提供することが顧客満足度の維持につながります。
品質管理体制の重要性は、一般のユーザーからは見えにくい部分でもあります。ですが、製品の安全性、効果の持続性、ブランドの信頼性など、多くの重要な要素に関わる部分でもあるため、非常に重要なのです。
注意点3.小ロットでも品質に影響しないか
――トキワで小ロット製造を依頼する場合、品質面での安全性は担保されますか?
処方担当者:
はい、トキワで小ロット製造を依頼する場合でも、品質面での安全性は十分に担保されます。トキワは技術力と品質管理体制の両立を強みとしており、小ロット生産であっても基本姿勢は変わりません。
また、小ロット生産の場合使用できる原料や処方に一定の制限がありますが、これは安全性を高める要因にもなっています。使用される原料や処方はすでに安全性が十分に確認されたものだからです。トキワが用意している原料や処方の中から選ぶことになるため、安全性の面では信頼性が高いと言えます。
注意点4.最新の技術や市場トレンドを押さえているか
――OEMメーカーを選ぶうえで、最新の技術や市場トレンドを押さえているかについてはどのようにして知ることができますか?
処方担当者:
OEMメーカーに直接問い合わせてみることをおすすめします。多くのOEMメーカーは、市場動向や新しい技術に関する独自の調査・研究を行っています。
例えば、トキワでは他社の製品分析や、何が売れているのか、売れている理由は何なのかを調査しています。また、論文や学会からの最新情報も常にチェックしています。こうした取り組みについて、OEMメーカーに質問してみるのがおすすめです。
OEMメーカーが注目している市場トレンドについて聞いてみるのも有効です。例えば、現在はサステナビリティやクリーンビューティなどが世界的なトレンドとなっていますが、こうしたトレンドへの対応状況を確認することで、そのOEMメーカーの市場感覚を知ることができます。
化粧品OEMを成功させるためのコツ

ここまで、化粧品OEMメーカーを選ぶ際の注意点をご紹介してきました。適切なOEMメーカーを見つけられたら、次は化粧品OEMを成功させることが目標になりますよね。そこで本章では、化粧品OEMを成功に導くためのコツをお伝えします。
ニッチ市場の開拓、明確な製品コンセプトの設定、効果的なマーケティング戦略の立案など、成功への重要なポイントを解説。また、業界の最新トレンドを押さえることの重要性についても触れていきます。
これらのポイントは、実際に処方を担当している専門家の経験に基づいた生の声です。長年の経験と専門知識から得られた貴重な助言ばかりですので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。
1.ニッチ市場の開拓
――化粧品OEMを成功させるために、ニッチ市場の開拓が必要なのはなぜですか?
処方担当者:
化粧品市場は非常に競争が激しく、製品数も非常に多い状態です。万人に受け入れられる製品を作ろうとすると、既存の製品との差別化が難しくなります。そのため、世の中にまだない、あるいは需要はあるけれどまだ満たされていないニーズを見つけ出し、そこに特化した製品を作ることが重要になってきます。
例えば、日焼け止めでいえば、「ノンケミカルかつスキンケアのような使用感のもの」というポジションは、まだあまり埋まっていないかもしれません。このような空いているポジションを見つけ出し、そこをターゲットにすることで、独自性のある製品を生み出せます。
また、ニッチ市場に特化することで、その分野での専門性や信頼性を高められます。これは、長期的なブランド構築にも有効です。大手ブランドが手を出しにくい、あるいはまだ気づいていない市場を見つけ出し、そこに特化した製品を開発することで、OEMビジネスを成功させられる可能性も高まります。
2.製品コンセプトを明確にしておく
――製品コンセプトを明確にしておくべき理由を教えてください。
処方担当者:
製造前に製品コンセプトを明確にしておくことで、製品開発の方向性を定められます。反対に、ユーザーが何を求めているのか、どのような効果や使用感を期待しているのかが明確でないと、開発の過程で迷走してしまう可能性があります。
例えば、最初は「軽い使用感のSPF製品が欲しい」とメーカーに伝えていたものの、開発途中で「やっぱりしっとりした感じも欲しい」「UV機能はいらないかもしれない」など、方向性が二転三転すると、開発が長引いたり、希望していた納期に間に合わなかったりする可能性もあります。
また、開発前に製品コンセプトが明確化されていれば、技術的な実現可能性の判断がしやすくなります。お客様の希望と技術的な制約の間には、ギャップがあることも少なくありません。例えば、「この製品のこの部分と、この製品のこの良い部分を合わせたような物」という要望があっても、実際には簡単に実現できないことも。しかしコンセプトが明確であれば、そのギャップを早い段階で認識し、実現可能な範囲内で最適な解決策を見つけられます。
製品ラインナップ全体の一貫性を保つためにも、一貫した明確なコンセプトの確立は重要です。1つの製品だけでなく、ブランド全体としての世界観や目指す方向性を明確にすることで、製品間の整合性が取れ、ブランドとしての印象も強くなります。
3.マーケティングに力を入れる
――化粧品を販売するにあたって、マーケティングはどのくらい重要ですか?
処方担当者:
マーケティングは化粧品を販売するうえで非常に重要です。化粧品業界では、技術力だけでは製品が売れないという現実があります。特に小ロット生産の場合、製品自体での差別化が難しいため、マーケティングの重要性はより高まります。
製品の中身での差別化が難しい場合、ブランドの世界観や販売方法などで差別化を図る必要があります。つまり、「どう見せるか」「どう売るか」という部分で独自性を出すことが重要になってきます。
化粧品は感覚的な製品であり、機能だけでなく感性にも訴えかける必要があります。そのため、製品の機能や効果を適切に伝えるだけでなく、ブランドの世界観や使用することで得られる体験なども効果的に伝える必要があります。
4.トレンドを意識する
――最近の化粧品業界における気になるトレンドについて教えてください。
処方担当者:
最近の化粧品業界では、メイクアップとスキンケアの境界が曖昧になってきています。この傾向は、成分への注目の高まりと密接に関連しています。
具体的には、ファンデーションに美容液の効果を加えたり、医薬部外品の美白成分を配合したメイクアップ製品が登場しています。これらの製品は、メイクアップしながら同時に肌のケアができるという消費者ニーズに応えるものです。
トキワでもこのトレンドを重視しており、メイクアップとスキンケアの融合を目指した製品開発に注力しています。
まとめ
本記事では、化粧品OEMメーカーを選ぶ際の重要な注意点と、化粧品OEMビジネスを成功に導くためのコツをご紹介しました。
これらの情報は、実際に現場で処方を担当している専門家の意見を踏まえたものです。化粧品OEMビジネスにはさまざまな課題がありますが、本記事の内容を活用することで、それらを乗り越えるヒントが得られるはずです。
本記事が、みなさまの化粧品OEMビジネスを成功させるきっかけになれば幸いです。
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トキワに相談する*参考:株式会社矢野経済研究所「化粧品受託製造・容器・原料市場の展望と戦略」