トキワコラムTOKIWA COLUMN

カラーコスメOEM国内トップシェアのトキワによるコラム

商品開発

ニューヨーク開催「MakeUp in New York」|化粧品展示会レポート

2022年9月14、15日の2日間に渡り、アメリカ、ニューヨークで開催された化粧品業界の展示会「MakeUp in New York」にトキワも出展してきました。

本コラムでは参加した処方担当者のインタビューをもとに、世界の最新コスメトレンドや、トキワの技術力を結集した展示品、注目のイノベーティブなコスメをご紹介します。

「MakeUp in New York」とは?

MUNYは、今年で11年目を迎える化粧品メイクアップ業界において、B2Bを牽引する最大規模の展示会です。サプライヤー、ブランド、トレンドセッターが一堂に会するこの展示会は、毎年トレンドの中心となる都市(パリ、NY、LA、上海)で開催され、最新のコンセプトや製品が披露されます。

2022年度は9月14、15日の2日間に渡り、アメリカ、ヨーロッパ、アジアからメイクアップ美容業界で最も影響力のある約150のサプライヤーが集まり、消費者の需要、革新性、創造性、持続可能性、エコフレンドリー等の観点から開発された最新の製品を発表しました。

「MakeUp in New York」公式サイトはこちら

ニューヨーク最新コスメトレンドをご紹介

今回の展示会でほとんどの企業が訴求していたのが「クリーンビューティ」です。化粧品をつくる企業として、人体への影響だけではなく、社会課題についても考えることが重要になっていることがわかります。

日本ではオーガニックコスメやナチュラルコスメへの注目が高まっていますが、世界では「クリーンビューティ」という考え方が広まっています。

・市場規模が拡大しているクリーンビューティコスメとは

人体、地球環境、社会課題に配慮して作られた化粧品。肌に有害な成分を使用しないこと、環境への負担を減らしたパッケージを採用すること、動物実験をしないこと、原料の生産地を透明化することなどが挙げられます。

・クリーンビューティへのトキワの取り組み

弊社はアメリカやヨーロッパ、中国等、海外のお客様の製品も製造しています。その為、弊社は2020年4月からアメリカ化粧品専門店Sephoraが定義するクリーンビューティや、その他主要企業のクリーンビューティの規制より厳しいレベルでのガイドラインを設け、クリーンビューティコスメの製造を行っています。

トキワブースの展示品をご紹介

本展示会でトキワが展示したのは、「ウッドペンシル」「リフィラブルリキッドアイライナー」「メタリックアイライナー」の3製品です。なぜこの3製品を発表したのか、市場の傾向と製品の特徴の観点からお伝えします。

・アメリカ化粧品OEMメーカーの傾向

アメリカの多くの化粧品OEMメーカーが力を入れているのは、スキンケア化粧品、ベースメイク、そしてパウダーで製品(ファンデーションではなくアイシャドウ等)です。

弊社もベースメイクやパウダー製品は多数の実績がありますが、日本人の肌質に合わせた処方になっています。そのため、今回の展示会では国外からも需要があり、トキワが最も得意とする製品カテゴリの一つであるペンシルタイプの化粧品を展示しました。

・ペンシルタイプのコスメ

【ウッドペンシル】

昨年開発したウッドペンシルは、容器の一部を木材に置き換えることにより、最大約60%のプラスチック削減が可能となる新しい開発品で、アイブロウペンシル、アイライナーペンシル、リキッドアイライナー向けの容器をラインナップしています。

木材は水を蒸発しやすいので、主成分が水のリキッドアイライナーを木製容器で製作するには気密性を高める必要がありました。またペンシルの場合でも、使用されている揮発材のシリコンオイルやイソドデカンは水よりは遅く蒸発しますが、蒸発すると芯が石のように固くなりってしまうため、同様に容器の気密性が重要になってきます。

そのため弊社のウッドペンシルは、内容物に触れるパーツは揮発成分を透過し難い素材を使うことで蒸発を防ぎ、その他のパーツに木材を仕様することで、気密性を保ちながら、プラスチックの削減を可能にしています。

また、弊社の木製製品はFSC®認証*を受けているため、適切に管理された森林に由来する環境配慮型の商品であることを表す専用のロゴマークを使用することが可能です。

機能的かつ環境に配慮したウッドペンシルは、展示会の訪問者の方からもっとも興味を持っていただいた製品でした。

*FSC®認証(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)は、限りある森林資源を将来にわたって使い続けられるよう適切に管理された森林から調達された林産物に対する国際認証制度です。

弊社FSC認証取得についての詳しい情報は、こちらのサイトをご覧ください。

【リフィラブルカラーリキッドアイライナー】

トキワが展示したのは50色のバリエーションがあるブラシタイプのカラーアイライナーで、パラベン等を使用しない、クリーン処方での製品開発を実現しました。一見普通に見えるカラーアイライナーのどこが革新的なのでしょうか?

皆さんは塗布部分がナイロンチップのリキッドアイライナーとブラシタイプリキッドアイライナーのどちらが使い易いと感じますか?

一般的にナイロンチップはブラシタイプに比べて、潰れやすく、描きにくい為、日本やアメリカではブラシタイプが好まれる傾向にあります。それではなぜナイロンチップの製品があるのでしょうか?

その理由は、アプリケーターにリキッドを運ぶ方法と、カラーライナーの色の明度に関係があります。チップタイプの場合、マーカーペンのように液がナイロンチップにしみこんでいますが、ブラシタイプは溶液をブラシの先に引っ張ってきます。

カラーライナーの色は顔料という着色剤によって表現されます。黒やブラウン等の明度の低い色のアイライナーに使われる顔料は粒子が小さく、白やパステルカラー等の明度の高い色のアイライナーに使われる顔料は粒子が大きくなっています。

その為、顔料の粒子の大きい白やパステルカラーの溶液は黒やブラウンの溶液と比べてブラシの先に運ぶのが難しく、ナイロンチップタイプで製造されることが多くなります。

以上のことから50色のバリエーションがあるブラシタイプのカラーアイライナーの開発は非常に難しいことがわかります。

【メタリックアイライナー】

今回は4種類のメタリックアイライナーを展示しました。カラーリキッドアイライナーのパートでお伝えしましたが、粒子が大きければ大きいほどブラシタイプのリキッドアイライナーをつくるのは難しいため、メタリック感を表現する大きな粒子のパール材を配合して製品化するのは大変難しいのです。

また作製することができたとしても、時間が経つとパール材が筆に詰まってしまい、使えなくなってしまうことがあります。

弊社では様々な状況を想定し、それに応じた品質保証テストを行っております。そのためすべての製品において安定性に自信をもった製品を提供しています。

化粧品開発者注目のITアワード受賞製品

・IT(Innovation and Trends) Awards Competitionとは

MakeUp in NewYork の Innovation & Trends (IT) Awards は 出展社のイノベーションを促進することを目的に実施されています。

出展社は3製品まで提出でき、 今年は、コンテストに参加した 100 を超える製品の中から、22 のスキンケアおよびメイクアップ製品とパッケージがノミネートされました。

最終的に、「アクセサリー」「処方」「フルサービス」「パッケージ」の4つのカテゴリで4製品が賞を受賞、1製品が「審査員賞」を授与しました。

・ピルタイプのスキンケア化粧品

パーソナルケア製品の製造を行うOPACが処方のカテゴリで賞を受賞した「Beauty Pills」は、製剤技術 (特許出願中) により、0.14 g の錠剤を、水または美容液と混ぜると2.2 ml のクリームゲルに変化する革新的な製品です。

錠剤タイプのため、配送業務を簡素化することが可能になり、労働時間の短縮や配送時に発生するCO2の削減に繋がります。また水が主成分になるスキンケア化粧品から水を省くことで、水不足対策へ貢献することができます。

まとめ

今回MUNYへの出展を通し、世界の化粧品市場では「クリーンビューティ」をキーワードに、人と地球環境に配慮した化粧品の重要性が高まっていることを実感しました。

トキワは今後もOEM/ODMにおいて世界の中で先駆け、人と地球に優しい製品づくりを行い、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

クリーンビューティコスメ開発にご興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。

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