OEMコラムTOKIWA COLUMN

カラーコスメOEM国内トップシェアのトキワによるコラム

化粧品OEM

2025年上半期の市場データから読み解く、オリジナル化粧品の成長戦略

化粧品市場は、消費者ニーズの変化やインバウンド需要の回復、海外市場の拡大などにより、動きが活発になっています。こうした環境のもと、競争力ある製品を生み出すには、客観的な市場データに基づく判断が求められます。

本記事では、2025年上半期の市場データをもとに、国内の生産・販売・在庫動向から海外輸出の流れまでを整理。次の製品開発やマーケティングにどう活かすかを考えるヒントをお伝えします。

■市場レポート出典元
財務省 財務省貿易統計 化粧品輸出金額
経済産業省 生産動態統計
日本百貨店協会 全国百貨店売上高概況
日本百貨店協会 免税売上高来店動向
日本政府観光局 訪日外客数

国内市場の動き

市場データを読み解くことで、商品企画や販売戦略を見直すための示唆を得られます。季節変動の影響を受けやすい化粧品市場では、需要変化への正しい理解が求められます。最適なタイミングで新製品を開発するためにも、国内市場の動きは数字とともに正確に把握しましょう。

需要のピークを見据えた販売・生産計画が重要

2025年上半期の仕上用化粧品データから、春先に販売数量が生産数量を上回る時期があることがわかります。この傾向は、キャンペーンや新商品の投入時期を検討するうえでも参考になります。

販売の山を見越した生産体制を整えることはもちろん、OEMパートナーとのスケジュール共有や、試作リードタイムの確保も重要です。ブランド企業側が早い段階から市場動向を把握しておくことで、製造現場との連携がスムーズになり、販売機会を逃すことなく売上に繋げられます。

在庫と販売のズレ

データからは、販売のピークを過ぎたあとに在庫が膨らむ傾向も見受けられます。在庫と販売のズレは、キャッシュフローや物流負担に影響を及ぼすため、事前に在庫リスクを意識した商品展開が求められます。

OEMメーカーと在庫状況を密に共有しながら、需要変動に応じて柔軟な生産調整ができる体制を整えておきましょう。

カテゴリ別データから見る、商品開発のヒント

市場全体の動きに加え、カテゴリごとの需給バランスを読み解くことで、より具体的な商品開発のヒントが見えてきます。

ここでは、特に注目すべき4つのカテゴリを取り上げ、データから読み取れるビジネスチャンスと、OEMを活用した開発戦略のポイントを解説します。

アイメイク

アイメイク市場は、月ごとの需要変動が極めて激しいという特徴があります。これは、トレンドの変化が速く、消費者が常に新しい刺激を求めていることを表しています。

新製品を企画する際は、季節ごとの限定カラーパレットや、SNSで話題となっている新しい質感のアイライナーなど、需要のピークに合わせた迅速な市場投入戦略が有効です。

リップ

リップ製品の市場データを見ると、月末在庫が増加傾向にあり、生産されている製品と実際に売れている製品に乖離がある可能性が指摘されます。これは、既存のトレンドを追うだけでは、過剰在庫のリスクを抱えることを意味します。

リップカテゴリで成功するには、市場ニーズを深く理解し、まだ満たされていない新しい価値を提供する製品開発が求められます。スキンケア効果をプラスしたリップセラムや、独自の質感を持つティントなど、他社との明確な差別化が重要です。開発力のあるOEMと組むことで、競争の激しい市場でも埋もれない、独自性の高い製品を生み出せます。

フェイス

ファンデーションやフェイスパウダーなどのフェイス全般カテゴリでは、販売数量が生産数量を継続的に上回る「供給不足」の状態が見られます。これは、消費者のベースメイクアップに対する根強い需要を示しており、新規参入やラインナップ拡充の大きなビジネスチャンスがあることを意味しています。

フェイス製品を開発し市場でのシェアを獲得するには、品質の高さはもちろん、需要に応じ安定的に製品を供給できる生産体制の構築が不可欠です。そのためにも、信頼できるOEMパートナーを選び、ヒット製品が生まれた際に機会損失なく供給できるサプライチェーンの確保が、事業を成功させる重要なポイントとなります。

まゆ毛・まつ毛

まゆ毛・まつ毛関連製品の市場は、販売数量が生産数量を一貫して上回っており、高い需要に対して生産が追いついていない状況がデータから読み取れます。「需要超過」の状態は、アイブロウジェルやマスカラ、まつ毛美容液といったアイテムに強い追い風が吹いていることを示しています。

消費者の関心が高い成長市場では、スピード感を持った商品開発が競争優位に繋がります。ブランド独自のコンセプトやこだわり、世界観を迅速に製品化でき、市場の需要に応えられる開発力と生産力を持つOEMパートナーとの連携が、成功への近道となるでしょう。

海外市場の動き

今後の事業成長を目指すのであれば、国内市場の動きはもちろん、海外市場の傾向も把握しておくとよいでしょう。「Made in Japan」コスメは品質の高さで信頼を得ており、特にアジア圏では人気が拡大しています。輸出データからも、海外展開を見据えた商品づくりの重要性が読み取れます。

アジア市場がけん引する輸出拡大

中国・香港・台湾・韓国を中心に、日本の化粧品輸出は堅調に推移しています。3月には輸出額全体がピークを迎え、各国で日本製コスメへの関心が高まっていることがうかがえます。しかし、国ごとに人気の製品カテゴリや好まれるテクスチャーは異なります。

また、越境ECで売れ筋のアイテムと、現地のリアル店舗で求められる製品は必ずしも一致しません。各市場の購買動向や流通チャネルを細かく把握し、どの地域にどんな商品を投入すべきかの具体的な分析が、他社との大きな差別化につながります。

「品質」から「体験」へと進化する日本ブランドの価値

日本製の化粧品は、品質・安全性の高さから、世界中で高い評価を得ています。近年ではそこに加え、心地よいテクスチャーや、共感を呼ぶブランドストーリーといった「体験価値」が海外でもますます重要視されるようになりました。肌の上でとろけるような質感や、環境に配慮したサステナブルな容器は、製品そのものがブランドのメッセージを伝える強力なツールとなります。

こうした付加価値を製品にどう落とし込むかが、グローバル市場でファンを獲得するポイントとなります。

市場レポートの活用で、次の一手を明確に

本記事で紹介した内容は、市場全体の一部にすぎません。

「化粧品市場レポート(2025年6月まで)」では、国内外の生産・販売・在庫・輸出・インバウンド動向を網羅的に分析し、企画・開発・営業の各現場ですぐに使える情報をまとめています。

このレポートを活用することで、以下のようなインサイトを得られます。

  • 成長分野と販売タイミングの把握
  • 在庫リスクと需給ギャップの見極め
  • 競合動向の分析と差別化ポイントの発見
  • 海外展開に向けた市場選定

貴社のビジネスを戦略的に加速させるための指針としてご活用ください。

まとめ

変化の激しい化粧品市場で成功を収めるには、需要変動や消費者ニーズを的確にとらえた製品製造が欠かせません。

ぜひこの機会に、「化粧品市場レポート(2025年6月まで)」をダウンロードし、自社の企画・開発・生産戦略にお役立てください。

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