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化粧品OEM

化粧品OEMの販売許可と薬機法対応|契約・表示・広告の重要ポイント

自社ブランドの化粧品を販売するには、薬機法に基づく許可や、さまざまな手続きが必要です。初めて化粧品ビジネスに参入される方は、何から始めればよいのか迷われることもあるでしょう。

この記事では、化粧品の製造・販売に必要な許可の種類、OEMメーカーへ製造を委託する際の契約、製品表示や広告に関する重要なポイント、試供品や海外販売時の注意点などについて、分かりやすく解説します。本記事が、円滑な事業開始の一助となれば幸いです。

化粧品OEMの販売許可|化粧品の製造・流通に必要な許可とは

化粧品の製造・流通に必要な許可とは

化粧品の製造・流通には、消費者の安全を守り、高品質な製品を提供するため、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称:薬機法)に基づく許可が必要です。化粧品業界への参入や、新たな製品ラインの展開を検討している企業にとって、これらの許可内容を事前に理解しておくことは非常に重要です。

化粧品の製造・流通に関する許可は主に2種類あります。

■化粧品製造業許可
化粧品を製造(包装や表示、保管も含む)するのに必要な許可。製造施設が法律で定められた基準を満たすことが求められます。
■化粧品製造販売業許可
製造(委託して製造した場合を含む)した化粧品を国内市場に出荷・流通させるために必要な許可。

これらの許可は、自社での化粧品製造・流通や、海外製品の輸入販売を行う場合に、原則として必要になります。また、化粧品を販売する際は、製造販売業者が、製品ごとに監督する行政(都道府県)への届出が求められる点にも注意が必要です。適切なプロセスを踏むことで、よりスムーズな事業展開が実現できます。

参照:厚生労働省 化粧品製造(輸入販売)業の許可申請等について 

   神奈川県 化粧品の製造、輸入または製造販売等について

化粧品OEMメーカーと契約締結する際の重要ポイント

OEMメーカーと契約締結する際の重要ポイント

化粧品の製造をOEMメーカーに委託する場合、製品を作るだけでなく、薬機法を遵守し、消費者の安全を確保するためのさまざまな取り決めが必要です。

本章では、トキワとの契約締結を例に、OEMメーカーと締結する主な契約内容や、安全管理業務委託契約の重要性、製品の表示・広告に関する責任範囲、試供品に関する注意点など、契約締結時に発売元様が押さえておくべき重要ポイントを解説します。

1.契約書の締結について

トキワにご依頼いただく場合は、主に下記の3つの契約を締結していただきます。

1.基本取引契約
2.秘密保持契約
3.安全業務委託契約

安全業務委託契約は、GVP省令(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器および再生医療等製品の製造販売後の安全管理基準を定めた省令)に基づいて締結されます。この契約により、消費者からの健康被害やクレームなどの安全管理情報の収集や、製品回収などの措置の実施を発売元に委託します。

安全業務委託契約を締結することで、委託範囲や双方の主管部門が明確になり、発売元に寄せられた消費者からの情報が、製造販売元であるOEMメーカーへ確実に伝達される体制が整います。

トキワでは、安全管理業務委託契約書において、下記の業務をお願いしています。

(1)当該商品の使用が完了するまでの間の医療関係者からの情報及び消費者からの問い合わせや苦情の収集
(2)トキワが実施する安全確保措置への協力及び情報提供
(3)安全管理に関する情報の記録・保管及びトキワへの報告

多くの場合、製品の問い合わせ先は発売元様側の電話番号となるため、化粧品OEMメーカーは消費者からのクレーム情報を直接入手できません。そのため、万が一製品回収が必要となった場合には、発売元様による製品引き上げなどの協力が不可欠となります。

2.製品表示について

製品表示の表示内容については、製造販売元が薬機法などの法令に適合しているかを確認するため、OEMメーカーが製造販売元となる場合は、OEMメーカーが確認を行うのが一般的です。

ただし、トキワが製造販売元となった場合は、発売元の社名、住所、製品の販売単価、バーコード、お問い合わせ先(※1)の電話番号、およびホームページなどでの表示に関する確認は、発売元様側にお願いをしております。そのため、これらの情報については、発売元様側でご確認いただくようお願いしています。

※1「問い合わせ先」とは、一般消費者からの問い合わせに対し、正確かつ迅速に対応できる連絡先を指します(化粧品公正競争規約施行規則第10条)。製造販売元が化粧品OEMメーカーである場合、製品に関する問い合わせ先は、発売元様が担当しているケースが多く見受けられます。法定表示には問い合わせ先の記載が必須であり、トキワの場合は電話番号の記載をお願いしています。

3.広告の内容について

薬機法第66条では、医薬品などの名称、製造方法、効能・効果、性能について、虚偽または誇大な記事・広告を流布することを禁じています。トキワの場合、ホームページや販売するサイトなど、製品表示以外の訴求内容が薬機法等の法令上問題ないかについては、原則発売元様にて確認をいただいております。製品に関わる表示や広告等においては、他社の著作権、商標権等の知的財産権を侵害しないよう、細心の注意が求められます。

4.製品の包装・表示作業について

製造業許可のない場所での製造行為は行えません。市場出荷判定後に包装の開封や法定表示の貼付・貼り換えなどの薬事行為を行う場合は、製造業許可のある製造所で作業を行う必要がある点にご注意ください。

5.試供品・贈答品について

販売品だけでなく、不特定多数に配布する試供品・贈答品も、販売品同様、薬機法に則った表示が必要です。景品表示法では過大な景品類の提供が制限されているため、あわせて確認しておくことが大切です。

6.表示でよく問い合わせのある内容

「問い合わせ先の電話番号は、メールアドレスでも良いですか?」という質問をいただくことがあります。

OEMメーカーによっては、消費者等からの問い合わせに対応するお客様相談室などの窓口を設けていない場合があります。その場合、法定表示には発売元様の部門名等と電話番号を記載する必要があります。トキワでも同様に、法定表示には発売元様の部門名等と電話番号の記載をお願いしています。

化粧品OEMの販売許可と薬機法に正しく対応し円滑な事業運営を

オリジナル化粧品を製造・販売するには、薬機法をはじめとする関連法規の遵守が不可欠です。化粧品OEMメーカーに製造を委託する場合でも、契約内容の確認や製品表示・広告表現の管理、消費者対応など、発売元様が担う責任は多岐にわたります。本記事で解説したポイントを参考に、適切な準備と管理体制を整え、円滑な事業運営を目指しましょう。

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