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「イノベーションの後ろ盾になりたい」審査員インタビュー#1 リシュモンジャパン元代表取締役西村豊氏

こんにちは。TOKIWALab運営インターン生の五十嵐です。
今回からは、TOKIWALabに参画してくださっている審査員の方々へのインタビューを発信します。

審査員インタビュー第1号となる今回は、世界三大ラグジュアリーグループの1つである「リシュモン」の日本法人代表取締役を経て、現在はカーライルでシニアアドバイザーを務められている西村豊さんにお話を伺います。

目次

  1. トキワと参加者の可能性を広げるプログラム
  2. 困りごとを解決するイノベーションを後押ししたい
  3. まとめ

トキワと参加者の可能性を広げるプログラム

コメント 2020-08-17 164608を拡大表示
リシュモンジャパン 元代表取締役 西村 豊氏

△今回はオンラインでインタビューを行いました。

今回はお忙しい中インタビューを引き受けてくださりありがとうございます!はじめに西村さんの経歴をお聞かせください。
西村:
私は元々アメリカのGE(ゼネラルエレクトリック)で16年ほどヘルスケアや金融事業に携わったのち、世界3大ラグジュアリーグループの1つであるリシュモンの代表取締役CEOを10年程務めていました。
それらを含め財務、事業開発、経営全般の経験をいかし、現在はトキワにも投資を行っているカーライルでシニアアドバイザーというポストで、新規案件の開発や投資先企業の価値向上を目指すお手伝いをしています。
また、その他にもアパレルやリテールなどの企業に社外取締役として関わっています。

ありがとうございます。西村さんは現在トキワの社外取締役も務められていると思うのですが、事業開発や経営の経験が豊富な西村さんからみてTOKIWALabはどう映りましたか?
西村:
代表である金井さんからお話を伺ったときは、トキワが今まで行ってきた通常の受託生産とは違い、アメリカではインディーと言われるような新興の化粧品のブランドをサポートし、トキワのターゲットが広げられること、そしてひいてはトキワの可能性が広がると感じました。

たしかに第二創業期を迎えたトキワにとってTOKIWALabは大きな一歩になりますね。ビジネスモデル以外にも魅力的に感じた部分はありますか?
西村:従来大きな会社は、マーケティングや市場調査を行って組織的な製品開発をすることがメインストリームですが、市場調査に過度に頼ると、反対意見が出にくいような商品が生まれやすい。
しかし、オープンイノベーションと呼ばれているものは、教科書的な組織的な製品開発としては生まれにくい、「最初はなんだこれ?」と思われるアイデアが昇華していくものが多々あります。
このようなイノベーションの種は潜在的にあると思われるので、それを発掘し、また、製品化の過程を支援することで、応募した方が自分のアイデアが製品化される過程を体感できること、つまり、オープンイノベーションをコマーシャライズするサポートができる部分が魅力的だと感じます。


代表の金井もイノベーションの発想は、初めは奇抜すぎてサポーターを得にくいからこそ、今回のような支援したいという話をしていました。
西村:
そうですね。
オープンイノベーションは、10人中5人は興味を示さなくても、5人は熱狂的なファンになってくれるような、とがっていて非常識的なものが生まれやすい。
だからこそ、そのアイデアを実際に商品になるまでサポートできるのは本当にすごいことだと思います。

困りごとを解決するイノベーションを後押ししたい

INFINITE_完成版を拡大表示

△TOKIWALabのコンセプト「開放しよう、あなたの可能性を」

魅力に感じた部分と繋がるところはあると思いますが、トキワのアドバイザーとして見守るという形ではなく、審査員としてTOKIWALabに参加された理由はありますか?

西村:TOKIWALabの魅力と重なる部分はありますが、平均的ではない、クレイジーなアイデアが実現する過程に関わり、直接支援できることに非常に魅力を感じましたし、
そのような方々から新しいものの見方を得て、それをトキワにフィードバックできればいいなとも考えています。

西村さんが最近得た新しいものの見方はありますか?代表の金井から西村さんが応募するとしたらどんなアイデアがあるか聞いてみたいというリクエストがあったのですが(笑)

西村:
難しいですね。ただ、代表取締役をつとめたリシュモンを象徴する時計とイノベーションを結び付けて考えてみると面白い見方があって。
時計は元々大航海時代にコンパスと経過時間から居場所を特定する必要性から大幅な技術革新が生まれました。当時は経過時間と太陽や月の位置から航路を把握していたのですよね。
これはつまり、時計が進化していくのにはニーズがあるという話で、
その後移動手段が進化して、飛行機が生まれると、燃料の残量を確認するために時計が必要だったけど、(当時の飛行機では)いちいち懐中時計を出すのは危険だったので、腕時計が生まれたんです。
あと、時計にはクロノグラフと呼ばれるストップウォッチのような機能がついているものもあると思うのですけど、これはイギリスで競馬の馬を調教する人たちが馬の走るスピードを測定するために発明されました。
つまり、イノベーションは、困ったことのソリューションを今までとは違う角度で見つめて生まれるものではないかと考えています。

だからもし、僕がイノベーションを起こすとしたら、自分が困ったこととビューティーを結びつけたものを提案するかも知れないですね。僕は美容に関しては困りごとだらけだからね。(笑)


困りごとからイノベーションが生まれるという考察は非常に興味深いですね。それを踏まえた上で西村さんが応募者に対して期待していることはありますか?
西村:基本的には自由に皆さんがあったらいいなと思うものを発想していただけたらと思います。
ただ、トキワのテーマの中に環境への配慮という考えがありますが、現状ビューティー事業でそのようなことに対処できている会社は少ないと思います。
そのため、SDGsなどに対応するアイデアがでてきたらいいなと思う部分はありますし、
テーマに対してソリューションを考えるというアプローチをすることで結果的にはイノベーティブなものができるというプロセスもあるのではないかと思います。
だから、もしいいアイデアが思いつかない人がいたら、そのようなプロセスも考えてもらえたらなと!

たしかに最近は気候変動やコロナの問題もあり、世界中でSDGsに対しての意識の高まりを感じますね。
西村:昔、ビジネスの世界では、サステイナブルというキーワードに対して、本来のCSRの意味を取り違え、寄付やボランティアをするような考えが強かったのですが、ビジネスを持続可能にするために人類の課題を解決して、かつ従業員の人が誇りを持てる企業が結果的にはサステイナブルな企業になる流れが基本になりつつあるので、トキワもそのような方向性を志向し、今回のオープンイノベーションから上手く吸収できればいいなと思っています。

トキワと参加者の方の間でお互いのアイデアが昇華できるようなプログラムにできるようわたしたちも頑張ります。最後になりましたが、参加者の方へのメッセージをお願いします。
西村:美しくありたいというのはクレオパトラの時代からのテーマなので、その時代その時代の感性を古典的なテーマにぶつけてもらい創造的なアイデアがでてくることを期待しています。

まとめ

今回のインタビューでは、事業開発、経営、そして投資ファンドでの経験が豊富な西村さんの視点から捉えたTOKIWALabそしてトキワについてうかがえたのがとても印象的でした。

休憩時間にも経済同友会のお話をしてくださり、とても気取らないすてきな方でした。

次回は武田コンシューマーヘルスケア代表取締役の野上麻理さんにお話を伺います。

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